2026年4月4日主の復活主日礼拝(白)
2026年4月4日(土曜日)午前10時30分
司式・説教 小泉基牧師
説教題 「魔法では解決しない」
第1日課・エレミヤ書31章1節~6節、
第2日課・使徒言行録10章34節~43節、
福音書・ヨハネによる福音書20章1節~18節、
「ドイツのキリスト教を語るコラム」札幌教会北礼拝堂信徒 川田洋一執筆
靴職人ハンス・ザックスのルター派キリスト教信仰2
宗教改革が導入された都市を舞台にしたオペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は
親方職人たちによる芸術理想郷を描いた作品でした。その台本にはワグナー流の濃密な
ドイツ・ナショナリズムが存在しています。音楽評論の世界では滅多に語られませんが、
このワーグナーのオペラには敬虔なルター派信仰も通奏低音のように存在しています。
なぜなら、このオペラの主要舞台は教会の会堂に設定されているからです。
残念なことに、このオペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は20世紀に入ると、
国粋主義、ナチズムを象徴化する作品として持ち上げられます。
独裁者ヒトラーはオペラの舞台ニュルンベルクを「最もドイツ的な都市」と呼び、
ナチ党党大会の開催都市にしました。ニュルンベルク党大会の記録映画『意志の勝利』では、
ヒトラーのニュルンベルク到着を歓迎するために、
市内のルター派教会が一斉に鐘を鳴らす場面があります。
当時、ベルリンやプロイセンの合同教会内ルター派は『バルメン宣言』を
信仰告白に組み込み、反ヒトラー運動をおこなっていました。
しかし、ニュルンベルクのルター派教会はヒトラーに抵抗することなく、
聖書にある神の言葉のみに従うとした『バルメン宣言』も信徒に届きませんでした。
ナチズムの祝祭都市になったニュルンベルクは、その後連合国による徹底した空爆を受け、
市内全域が廃墟になりました。戦後、大半の建物がそのままの形で再建されましたが、
オペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の舞台になった聖カタリーネ教会は
再建されず、ナチス党大会会場と共に、今も廃墟のまま残されています。

