2026年3月28日主のエルサレム入城主日/受難主日礼拝(紫)

2026年3月28日(土曜日)午前10時30分
司式・説教 小泉基牧師

説教題 「自由な僕」

第1日課・イザヤ書50章4節~9a節、

第2日課・フィリピの信徒への手紙2章5節~11節、

福音書・マタイによる福音書21章1節~11節、


「ドイツのキリスト教を語るコラム」札幌教会北礼拝堂信徒 川田洋一執筆
靴職人ハンス・ザックスのルター派キリスト教信仰1

ヘルマン・ヘッセの青春小説『車輪の下』には、靴職人フライクという敬虔な信仰者が
描かれています。靴職人の信仰者という面に注目すると、19世紀ドイツの音楽家ワーグナーの
オペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』にもハンス・ザックスという靴職人が登場し、
大きな役割を担っています。ワーグナーのこのオペラ作品に登場する以前に、
ハンス・ザックスはマイスタージンガーと呼ばれる親方職人歌手として、ドイツで著名な存在でした。
キリスト教会は神学者や牧師たちによって形成されるのではなく、
信徒たちの働きも重要です。ボンヘッファーも、信徒の働きに目を向けていました。

ハンス・ザックスは靴職人歌手として、南ドイツ・ニュルンベルクで活躍した人物です。
宗教改革が導入された16世紀に活躍しており、
ニュルンベルクでは画家のアルブレヒト・デューラーと並ぶルター派信徒として大きな存在でした。
ハンス・ザックスはルターを尊敬し、その教えに傾倒しました。
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の作曲と台本を担当したワーグナーも、
ザクセン王国のドレスデンで活躍したルター派信徒でした。
このオペラの第1幕は聖カタリーネ教会での礼拝シーンから始まります。
有名な前奏曲が流れた後、信徒たちの洗礼者ヨハネを讃える合唱になります。
この合唱曲には、洗礼の重要性とキリスト者としての謙虚な生き方が込められています。

ニュルンベルク市民の敬虔なルター派信仰が歌われた後、
親方職人(マイスタージンガー)の歌比べがはじまります。
田舎貴族の青年騎士ヴァルター・フォン・シュトルツィングがニュルンベルクに来て
金細工師ボーグナーの娘エーヴァを見染めて求婚します。
その時になって、結婚するためには歌比べで優勝する条件を知ります。
ヴァルターはみごとな歌唱で優勝し、エーヴァの父ボーグナーから
親方職人歌手(マイスタージンガー)の資格を与えられました。
しかし、ヴァルターは貴族としてのプライドから拒否します。
それに対して、ハンス・ザックスが親方職人マイスタージンガーこそドイツ文化を担うのであり、
敬う対象であることを歌いながら説得します。カトリック貴族や王族によって
成立している当時の神聖ローマ帝国が滅びても、
ルターの教えに従うマイスタージンガーによってドイツは生き続けると歌います。
その背後には差別のない理想郷としての新たなドイツ国家への願望があります。

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